鍋といえば、その土地で獲れる食材を使った郷土料理のひとつ。 その土地ならではの獲れたての 食材をたっぷり食べて栄養満点。 家族や仲間と食卓を囲んで、みんなで鍋をつつくのは寒い季節な らではの楽しみですよね。
鍋物が料理として登場するようになって、まだわずか200年。江戸時代中期以降に、湯豆腐や鶏鍋などを、最先端のファッションとして「食」を楽しむ文化が広がりはじめたころからです。さらに家庭の食卓に鍋料理がのぼるのは、厳しい家父長制がくずれて、家族みんながひとつの食卓を囲むようになる最近のことなのです。
豊かな自然に恵まれ、山海の幸が豊富な日本では、その土地ならではの味覚が楽しめます。それでは、全国の味覚自慢を見てみましょう。
四方を海に囲まれた日本ならでは。獲れる魚の種類によって様々! ■鮭のとれる土地ならではの北海道の「石狩鍋」 ■ゲンゲの獲れる2月に食べる富山県の「ゲンゲ鍋」 ■船の上で漁師が食べたあら汁がルーツの茨城県の「アンコウ鍋」 ■地元で獲れる牡蠣を使った広島県の「牡蠣の土手鍋」 ■瀬戸内海地方では、「源平鍋」・「水軍鍋」
山や湖などで獲れるものを鍋に使った鍋料理 ■きりたんぽと比内鶏が入った秋田県ならではの「きりたんぽ鍋」 ■湖のある滋賀県や島根県で食べる「鴨鍋」 ■山のある兵庫県や埼玉県などで食べる「猪鍋」 ■地鶏を使った九州地方ならではの「鶏の水炊き」
湯豆腐やカニすき、ふぐちりなど、全国にはもっともっと様々な鍋料理があります。同じ名前がついていても、微妙に作り方が違うのもあるでしょう。関西風と関東風がある「すき焼き」がその例かもしれません。また、味付けも様々で、水もしくは昆布ダシで煮てポン酢や薬味で食べる「ちり鍋」、煮汁に味がついていてそのまま食べる「寄せ鍋」、そして「すき焼き」や「カキの土手鍋」のように、汁気を少なくして濃い味で煮る鍋という大きく3つのタイプに分けられるでしょう。
素材の相性を考えて、ダシ汁は独創性をもたせ、自分流の鍋料理を作ってみるのも一興かもしれません。いずれにしても、船頭多くして旨い鍋は望めません。舵取りは、煮えばなを途切れることなく采配してくれる鍋奉行におまかせして、楽しく豪快にいただくことにしましょう。